ご挨拶

 

 

 末 喜晴(すえ よしはる)と申します。

 

 1980年代に隆盛を誇った、朝日ソノラマの怪奇アクション小説をこよなく愛しておりました。菊池秀行先生の魔界都市新宿シリーズやエイリアンシリーズが大好きです。夢枕獏先生のキマイラシリーズは、もう私の好みど真ん中だったり。

 

 朝日ソノラマ社は、不況の過渡期にあった出版業界において、2007年に廃業してしまいました。その時分は萌え文化が世を席巻し、私の大好きだった男性ヒーローが活躍する小説は、全く売れない状況であったと思います。朝日ソノラマも小説の表紙を萌えチックにしたりといろいろ苦心しておりましたが、やはり時流には乗りきれていなかったのでしょう。

 

 しばらく、新たに読みたい本に出会うことがありませんでした。かつてのように、熱く燃えさせてくれる男性ヒーローに出会えなかったのです。私の好きな、得体のしれぬものに一人立ち向かっていく孤高のヒーローは、もうどこにもいなくなってしまいました。

 

 そうやってぼやいていた私に、友人がこんなことを言いました。

「欲しいものがなければ、自分で作るしかない。本当に欲しいものを知っているのは、自分だけなのだから」

 

 確かにその通りなのです。出版社はビジネスで本を売っているのです。流行らない男性ヒーローの小説など、いくら待っても出してくれるはずありません。

 

 だから、自分で書きました。

 

 ここにあるのは、私がこじらせたまくった中二病から醸し出されたものが凝縮された作品です。流行りなど当然無視。萌えなし、エロなし、やおいなし。とにかく熱苦しいぐらい熱いです。

 

 もし読んで頂けましたら、是非ご感想をください。叱咤激励、お待ちしております。

 

 

2014年 2月 28日

「超人ハルク」を見ながら

  末